mi-happilylife’s blog

コーヒー大好き、何気ない日常をいかに楽しむか、それはわたし次第

ジブリ名作【耳をすませば】を勝手に解読、バロンと雫は過去に会っていた?

 こんにちは、ジブリ大好きmi-です。

先日金曜ロードショー耳をすませばやってましたね。

もう何十回観たかわからないくらいw
おそらくジブリ作品回数観たランキングの上位5位に当たると思います。

ジブリ作品の中でも「恋愛作品」として取り上げられていることが多いですが
私はただの恋愛映画と思って観たことはない、というか恋愛作品と思っていません。

そんな軽いものじゃなくて、人生においても深い意味のある作品だと思っています。

そんな耳をすませば
最後は恥ずかしいくらいのハッピーエンドで幕を閉じるのですが
本当にこれでハッピーエンドなのでしょうか?
雫と誠司のその後も想像しながら少し掘り下げてみましょう。

movies.yahoo.co.jp

・誠司ストーカー説

これは昔から取り上げられるネタである。
想いを寄せる雫のことを本を通じて追いかけ回していた?
劇中にも「隣の席に座ったこともあるんだぞ」

「怖いわ!!」と即突っ込みたくなるセリフでした。

雫の目に止まるように先に無数の本を借り読み漁る。
努力の方向がすごいw

結果的にその情熱は雫の目に止まることができたのですが・・

あんなにイケメンで知り合ってからはものすごい積極的な誠司なら
もっと雫を射止める近道があったんじゃないだろうか?

ということで私はこの物語は好きなんですが誠司にはあまり惹かれないのだ。
むしろ杉村の方が男らしくて誠実だと思うのだが?
ぶっきらぼうに振る舞いながらも、相手の事を考えて行動できる素敵な人だと思うぞ。

・バロンが意味するもの

雫はバロンを一目見て魅力に取り憑かれました。
それって一目惚れ?
いやそうじゃないと私は思う。
雫の「あなたのこと、ずーっと以前から知っていたような気がするの」
というセリフにヒントがあった。

あくまで私の見解だが、人は輪廻転成を繰り返すもの。

作品の最後の方でおじいさんが生き別れになった恋人の話をしてくれるシーンがあった。
ドイツに恋人を残し帰国して、迎えに行った時にどうしても会えなかった大切な人。
おじいさんがすぐに会いに行けなかった理由に《戦争》が始まって、というくだり。

残酷かもしれないがこの時、おじいさんの恋人は亡くなってしまったんじゃないかと思う。
おじいさんとの再開の約束で二人を繋ぐため預かっていたバロンの恋人をしっかりと抱いて。
おじいさんの「必ず迎えにくるから」という言葉を信じて。

そして何十年も時を経てバロンが雫をおじいさんの元へ引き寄せたのだ。
そう、そのおじいさんの恋人の生まれ変わりが雫なのだ。

だから雫の書いた物語はたまたまおじいさんの過去の話と被ったわけではなく、
雫にとっての前世の追憶の中にあった実際の物語そのものだったのだ。

そしておじいさんは雫が恋人の生まれ変わりだと早い時点で気付いていたように思う。
初めて雫と逢ったあの日、時計が治った時に居合わせたラッキーな人物。
あのシーンで
「そうか、お嬢さんはドワーフを知っている人なんだね」
このセリフ、さらっと流されがちだが違和感を感じないだろうか?
言葉の裏におじいさんの見えない気持ちが隠れている。

その時おじいさんは雫が昔の恋人だと気付いたんだと私は思った。

バロンは生き別れになってしまった自分の恋人と
おじいさんの恋人をどうしても引き寄せたかった。
そして時を経ておじいさんとおじいさんの恋人の魂を持った雫との再開、
バロン自身は雫の物語の中で恋人と再開という使命を果たしたのだ。

・雫の強さ

雫は誠司に恋をして自分の不甲斐なさに落ち込みます。
自分なんて釣り合わないと。
そこで自分に自信を付けるために奮闘の日々を送る。
誠司の力になれるように睡眠時間も削って物語を書き続けた。
誠司の夢ももちろん応援しながら。

そして物語を書き終え、おじいさんに作品を読んでもらって感想をもらいに行く。
あの雫の大泣きするシーン。胸が張り裂けそうになるのは私だけだろうか?
今の等身大の自分で一生懸命頑張った。
でも上手くできなくて、まだまだ未熟な自分を受け止めた時、
おじいさんがそばにいてくれて本当に良かった。

「よく頑張りましたね、あなたは素敵です」
「慌てることはない、時間をかけてしっかり磨いてください」

この言葉は焦って誠司に追いつかなきゃと思っていた不安な心を
どれだけ溶かして安心させてくれただろう。

全くこんな時に誠司は何やってんだ!(修行だw)
誠司は自分のことばっかりじゃないか、自分が頑張ることで女を幸せにできると思っている。
全くダメな男のパターンだとやはりそんなに好きにはなれないのである。

・誠司の帰国、そしてプロポーズ

私が唯一、雫と誠司が運命の相手なのかと感じるシーンはこちら。
帰国を早めた誠司が自転車で雫の家の下にいて
たまたま雫が窓から顔を出すシーン。

「奇跡だ!本当に会えた!」

そう誠司は口に出したが、奇跡なんてそうそう起こるものじゃない。
ということは必然的な運命の引寄せだったに違いない。
そう考えると、図書カードで雫を引寄せ、名前を心で呼び続けて雫を引寄せ
誠司は引寄せマスターだったのだ。

そして心がすっとする朝焼けの光景。
でまさかのプロポーーーズ!!!

「お前を乗せて坂道のぼるって決めたんだ」
までは少しキュンキュンしちゃうのだが

「俺と結婚してくれないか?」
ポカーーンである。
このプロポーズシーンで一気にもやっとしてしまう。
そこが狙いかもしれないが、とにかく何回見ても冷めてしまう。

最後の「雫、大好きだ!」からの主題歌で盛り返すことができるのだけれど。

普通に「雫、大好きだ!」だけじゃダメだったのか・・

キャー!二人は結婚してハッピーエンドなのね、羨ましい!と思う人がどれくらいいるのだろう?

むしろ初プロポーズを中学で受けてしまった雫の今後の人生を考えると
誠司は本当に自分勝手で「やなヤツやなヤツ」だ。
まぁ中学男子の脳なんてそんな相手のことまで考えれないのだろうけど

これからバイオリンの修行で10年は離れ離れかもしれないのに
こんな安いプロポーズの言葉で支配される雫の事を考えると・・酷い。

調べてみると中学から付き合ってゴールインできる人は1%もいないそうだ。
誠司はプロポーズをすることで雫を安心させたいと思ったのかもしれないが
プロポーズをするから雫のことを本当に愛しているかと言ったら違う。

雫が高校に行って例えば誠司と別れて杉村と付き合ったとして

「この人はプロポーズしてくれないからあんまり私のこと好きじゃないのかな」
とか過去に誠司みたいな発言をする元カレがいたことで
余計な不安を抱いてしまったらどうしてくれるんだ!!

と毎回毎回、誠司にあきれ返りながらも
エンディングでカントリーロードを大熱唱してしまい、
あ〜良かったぁと心はあったかくなる。

結果、そんな男としては未熟すぎる誠司だが私の中で情はすでに生まれているのだ。
そりゃ何十回も観ればそうなる。

・まとめ

というわけでここまで誠司をディスってきてしまったが
大好きな作品には代わりない耳をすませば
これは人と人とを引寄せ成長しあう人生の物語だと私は思っている。

「遠いものは大きく、近いものは小さく見えるだけのこと」
このバロンのセリフが意味すること。

今の自分では手に入らないものは大きく到底叶わないように見える。
そばにある近いものは手が届くから価値が小さく見える。
そしてこう続く。

「なぁに、近づけばそれほどのことはないさ」

そう、遠くにある大きな目標でも
努力をして近づいていき
目の前まで来れたなら

「手が届く自分になっているよ」

そう言ってくれているような気がするのだ。

だから今日も私はラピスラズリの鉱脈を探す旅に出る。